本シリーズは、事業承継センター取締役・東條裕一が、経営者から聞いた言葉と、経営者として伝えたい言葉を書き留めた「勇気をもらう経営者の言葉」を、一言ずつコラムとして再構成したものです。志や覚悟、そして勇気を、後継者のみなさんと分かち合えればと思います。
ムダとわかるまでやればいい
なぜ、この言葉なのか
「分ける」で目標を具体的な行動に分解したら、次に必要なのは、実際にやってみることです。この言葉が示すのは、実行のハードルを下げる考え方です。
頭の中でいくら考えても、やってみなければ、それが正しい手段なのかどうかはわかりません。だからこそ、「まずはやってみる」という姿勢が大切になります。
後継者は、失敗を恐れる気持ちが人一倍強くなりがちです。先代や周囲の目があるからこそ、なおさらです。この言葉は、そんな後継者の背中を、そっと押してくれるものだと思います。
「無駄とわかったら、それが収穫」という発想
あとはとにかくやってみる。無駄とわかるまでやってみればいい。無駄とわかったら、わかったことが収穫。それくらいのつもりで臨むのです。
そして、試みることの敷居を下げること。試みることこそが、成功する一番の方法だからです。失敗を恐れて動けなくなるより、動いて無駄を見つけるほうが、前に進めます。
部下にもそう言ってあげると、トライする気持ちが芽生えてきます。「無駄だったらそれでいい」と言ってもらえることで、部下は安心して一歩を踏み出せるようになるのです。
後継者として部下を持つ立場になったとき、この言葉を自分自身にも、部下にもかけてあげてほしいと思います。無駄を恐れる組織からは、新しい挑戦は生まれません。
先代がすでに築いた会社を引き継ぐ後継者は、なおさら、失うものが大きいと感じてしまうものです。しかし、試みたことが無駄に終わったとしても、それは失敗ではなく、次に進むための材料が一つ増えたということです。そう考えられるかどうかで、後継者自身の動き方は大きく変わります。
完璧な一手を最初から狙うより、小さく試して、無駄をひとつずつ確かめていく方が、結果として遠回りに見えて近道になることが多いのです。試みる回数そのものが、後継者としての経験値を積み上げていきます。
後継者のあなたへ
やってみる前から、うまくいくかどうかを考えすぎてしまうことはありませんか。しかし、無駄かどうかは、やってみなければわかりません。
無駄とわかったら、それも収穫。そう捉え直すだけで、次の一歩が軽くなります。試みることの敷居を、自分の中で少し下げてみてください。
あなたが今、迷って動けずにいることは何でしょうか。
本記事は、事業承継センター取締役・東條裕一の原稿「勇気をもらう経営者の言葉」をもとに構成しています。